電験2種、電験1種を受ける上では避けては通れない、論説問題について書いてみたいと思います!
↓電気カニって何者?って思った方はこちらへ。電験1種持ちで66kV受電工場の電気主任技術者として働いています。
二次試験対策を行うときにどうやって書いたら良いのか全く見当もつかないのが論説問題です。
問題と模範解答からは読み解けない(?)解き方があります。
例:R4年度の電験1種二次試験
こんな感じで問題文自体はすごくシンプルですね。
模範解答を見てみましょう。
この文章をいきなり書くのは難しいですし、知識があったとしてもこの文字数を書くのに結構な時間を消耗してしまいます。
ここで学ぶべきことは、「聞かれたことに対してどのように答えるか」です!
(1)の場合は進相運転を行う目的を聞いていますが、解答を行う手順として
①進相運転を行う背景は?→深夜などの軽負荷時に系統側の進み負荷が過剰となり系統電圧が上昇する。
②どうやって進相運転を行う?→タービン発電機の励磁電流を下げ、進相運転を行う
③進相運転を行うとどうなる?→系統側で発生する過剰な無効電力を吸収し,系統電圧の上昇を抑制する
電験の論説問題で目的を答える場合は大抵この①~③の手順で答えればOKです!
文字数が多い場合は①~③で分かる部分を多めに書き、分からないところは最低限触れておけば部分点が期待できます。
(R4年度の電験1種二次試験は論説で完全正答はできませんでしたが、合格した結果を考えると結構部分点もらえるのでは?というイメージです)
また、実際の解答用紙はちょっと特殊な用紙で、よく勉強等に使用するB5ノートとは紙のサイズ感や行間の間隔が結構異なります。
知識面だけ対策して二次試験に臨むと、この解答用紙の書きづらさに結構苦労するので、試験前に印刷して何文字を何分で書けるのかを確認しておくと試験当日に心の余裕ができます。
↓解答用紙は「電験1種の棚卸し」様の記事からダウンロードできるみたいです
続いて例題(2)(3)は留意点と対策について複数点述べる問題で、この形式もよく出題されています。
知らない項目は答えられないのでは?と思われがちですが、部分点を狙うならば一応対策があります。
(3)②を例に挙げると…
② 所内電圧が異常に低下しないように所内変圧器に負荷時タップ切換器を設
置して安全運転範囲内にする。
とありますが、対策の目的は 「所内電圧が異常に低下しないようにして安全運転範囲内にする」で対策の手段は「所内変圧器に負荷時タップ切換器を設置」です。
対策の目的について推測はつきやすいと思われるので、手段が分からなくても目的だけ書けていれば部分点が期待できます。
論説の採点基準は分かりませんが、間違ったことを書いていても部分点が結構もらえているイメージがあり、回答が合っているか分からなくてもとにかく書いてみる方が良さそうです。
例題(2)(3)のように問題点と対策を述べる問は多く、同ジャンル(発送電系)の類題から推測できるので、とにかく多くの過去問を見て要点を覚えておくのがポイントだと思います。
参考書とかを見てると模範解答にない部分の周辺知識まで補足しており、非常に見応えがあるんですが、1つの問に対して5ページ以上の解説が書かれている場合もあり、すべて覚えることはまず無理です😂
論説に関しては正直、知識の有無よりも回答の作り方の上手さで獲得点数が決まってくるような気がします。
前に述べた難易度傾向だと、かなりテクニック寄りの問題形式ですね
二次試験まであと2ヶ月半ほどなので、少しでも論説対策の参考になればと思います👍