もう10年以上前の事ですが、私が電気主任技術者の重要性を初めて知った電気事故の経験について書いてみます!
↓電気カニって何者?って思った方はこちらへ。電験1種持ちで66kV受電工場の電気主任技術者として働いています。
事故が起こったのは2012年の6月でした。当時は社会人4年目でしたが電気に関わる業務はほぼ経験しておらず、電験3種の初受験を8月に控えていて勉強に燃えていたのを覚えています
おはみずせ〜(●´ω`●)
— 電気カニ (@DenkenCrab) 2023年6月10日
6月になると思い出すのが、過去の台風による全停電事故の記憶です
事故点の特定ができず安全確認が難しく、復電までに非常に苦労した記憶です😭
当時の電気主任技術者の対応が上手く、事故のあった日のうちに受電再開する事ができ、そのときのやり取りは今でも覚えています☺️
当時の勤務先の変電所構内は下図のような機器配置で、GISではなく気中で77kV電線が張られている変電所でした
変電所の横の竹林は普段は気に留めることもなく、台風の日に事故は起こりました
その日は夕方までは普通にデスクワークをしていて、定時後に雨漏り修理の応援に行ってたら19:00に突然停電となりました
停電直後は状況が分からず、台風で送電線に事故があったのかと思っていましたが、監視室で受電用遮断器がトリップしていることを確認したので構内事故と推定
当時の選任の電気主任技術者は帰宅済だったので、状況を伝えて主任技術者の到着まで事故点調査を行うこととなりました
台風の大雨の中、懐中電灯を持って変電所構内を調査しますが事故点が見つからず、受電が再開できない状況が続きました
主任技術者が到着した頃、構内に焦げた竹の破片が見つかり、その頃には台風も弱くなってきていたので竹が再度接近するリスクは無いとして電力会社に受電再開を依頼
電力会社からは夜間で事故点が正確に把握できていない可能性もあることから、夜明けに安全を再度確認してから受電再開してほしいとの回答でした
部署のメンバー全員で何時間も確認作業を行い、これ以上の調査はできない中、受電できなければ工場操業が再開できず、途方に暮れていました
そのとき、主任技術者が電力会社の指令所の責任者と会話し、状況を再度説明の上、受電再開しても再事故のリスクは低い事を丁寧に説明し、受電再開することができました
あの混乱した状況下でも落ち着いて堂々と交渉に当たる度胸は、自身が選任の電気主任技術者を6年続けた今でも真似できるものではなさそうです😂
その時は大雨の中カッパを着ずに4時間ほど外に居たのでパンツまでびしょ濡れでした…
23:00に復電、構内復旧作業を行い24:30過ぎに終了して会社を出ました
夜中にすき家で晩ごはんを食べ、家に帰るとそこには…
台風で倒れているバイクの姿がありました😇
サイドスタンドを越えて左に倒れたようで、クラッチレバー、左ミドルカウル、左ステップが破損という痛手を負いました
(お金がなかったのでヤフオクで中古パーツを買ってなんとか直しました)
その後は4時間ほど寝て朝から会社に行って、復旧作業の続きと報告書の作成をして平常状態に戻りました
電気主任技術者になるということは、事故のときに責任を持って対処に当たらなければならないという事を深く記憶に刻む経験だったと思います(10年以上経っても覚えていました)