電気カニの電験日記

電験、電気主任技術者について語ります

PLCスキルを取得するためには?得たスキルは何に使えるか?

PLCについて語ります

初めてやる人には難解な領域ですが、電気技術者として覚えておいて損はないと思います!

 

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PLCスキルをどうやって得るか?

これってよく聞かれますが、結局は実機で覚えるのが一番です。

PLCが使えるから仕事ができるのではなく、仕事の手段(道具)としてPLCを使うってイメージをした方がいいですね。

 

工場とかで働いていて、PLCを操作できる環境がある人は実機からプログラムを読み込んでみましょう(プログラムを消去してしまうリスクもあるので、ちゃんと許可を取ってからやりましょう!)

PLC用PCを用意する→専用ソフトウェア(GX Works2とか)を起動する→読み込み設定をする→プログラム(ラダー図など)を読み込む→モニタモードで現在の稼働状況を確認する

これだけの手順ができれば第一歩としては十分です!PLCとPCの接続1つを取っても、直接接続(RS232C,USBなど)、オンライン接続(IPアドレスを指定など)、親局PLCから子局PLCを呼び出し…など様々な方法があり、自分の会社のPLCプログラムを読み込みできるというのも社内スキル的には十分に評価できるものとなります。

例えば旧世代のRS232Cでしか接続できないPLCは、USB⇔RS232C変換器のCOMポート指定があったり、変換器自体がWindowsのOSバージョン毎にドライバが対応可否があったりとかで一般化しづらいノウハウがあります(私はPCをWindows7 32bit→Windows10 64bitに更新したときにドライバが適合せず、変換器を3機種ほど試した結果ようやく適合するものが見つかったという苦い思い出あります😂)

 

工場とかで働いてみたいけど、身近にPLCがないという人は、職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)にPLCプログラミング技術講習などがありますので、受講料を払えば専門の講師の方がきっちりと教えてくれます!

私の場合は前職、現職で必要な領域のみを実機を通してスキル取得したので、知識としては相当な偏りがあります。

転職等でPLCスキルを身に着けておきたい!っていう場合はポリテクセンターの講習がオススメです。

電気主任技術者として転職する場合については過去記事に書いています!

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あとはPLCメーカが開催している教育もあります

トレーニング(FA・配制) サービス・サポート | 三菱電機 FA

このコースだと三菱電機製PLCの扱い方~タッチパネル・産業用ロボットとの連動などメーカ技術者としての知識をつけることができます。

制御屋さんになりたい人などはメーカ講習、工場技術者として活躍したい人はポリテクセンター講習など、目的に応じて講習先を検討すると目指すスキルを早く取得できます!

 

基礎を身に着けたらあとは実践あるのみ!

仕様変更をするときはしっかりとバックアップを取って、とにかくやってみるのが一番です。

 

得たスキルは何に使えるか?

あくまで私の経験上の話ですが、工場技術者の場合は生産設備の不具合の改善、機能追加やリレー盤の更新などに使えます!

普段工場に出入りしている制御屋さんに頼んでもいいのですが、不具合対応の場合は来てもらう場合に時間がかかり、対応毎に費用も発生します。

生産設備をよく知るためにも、制御用PLCを扱えるようにしておけばトラブル時や仕様変更時にできること、できないことを判断することができます。

私は制御屋さんに来てもらうたびに毎回質問して、やり方を教えてもらっていました(制御屋さんも丸投げされるよりも中身の分かるユーザと話した方が仕事が捗るらしく、快く教えてもらえる場合が多かったです)

 

電気主任技術者としても、進相コンデンサの投入台数制御や異常発報時の表示などはPLCを使用していることもあり、設定変更などを行う機会もあります。

(例えば進相コンデンサの制御時に遅れ無効電力○○kVarが○分間継続で進相コンデンサを1台投入する、進み無効電力○○kVarが○分間継続で進相コンデンサを1台開放するなどの条件は、稼働状況を見て設定値の変更を行ったります)

 

今だとリレーやタイマの部品が手に入りにくいので、中古のPLCが余っていたりすると代用したりもできます。

前に工場外周通路の夜間時の安全対策で外灯を設置してほしいとの要望があったんですが、カレンダータイマの納期が長く、ちょうど撤去する設備から外してきた中古PLCがあったので曜日と時間の条件で照明をON/OFFするプログラムを組み込んでカレンダータイマが納品されるまでの代用としたことがあります。

このように、ちょっとしたことでもPLCに触れる機会を作っておくと思わぬところで役に立ったりします。

 

シーケンス制御のことを学ぶこともできるので、得た知識はリレー盤の制御やPCのプログラミングに活かすことができます(私はプログラミング→リレー盤を覚える→PLCを覚えるって順序でシーケンス制御を理解しました。かなり稀な例でしょう😂)

電気主任技術者としては遮断器操作時のインターロック条件などを読めることは必須なので、PLCスキルを通して選任の技術者として活躍するための基礎知識を得ることができます。

電験の勉強がひと段落し、電気技術者としてこれから活躍したい方にはシーケンス制御のスキル取得をぜひオススメしたいです!

 

シーケンス制御自体は本でも勉強できるので、実務と座学と両方やっておけばより理解が深まりますね。

 

【2023.12.31追記】

2023年は新しく導入した三菱RシリーズPLCに慣れるので精一杯で終わってしまい、PLC知識面ではあまり進歩がありませんでした

最近のインバータもI/OがCC-LinkでPLCと直結されていたりして、故障時の診断にはよりPLCスキルが必要とされるようになってきました

2024年はもっとPLCを触って、新しく組んだりしてみて成長したいです👍